保安業務委託

受変電設備の安全を守ります
(保安業務委託)

1.電気主任技術者はなんで必要?

自家用電気工作物を設置する人は電気主任技術者を選任しなければなりません

このことは電気の重要な法律、「電気事業法」に規定されています。


電気事業法 第四十三条

 事業用電気工作物を設置する者は、事業用電気工作物の工事、維持及び運用に関する保安の監督をさせるため、主務省令で定めるところにより、主任技術者免状の交付を受けている者のうちから、主任技術者を選任しなければならない
※事業用電気工作物の中には、自家用電気工作物が含まれています。


住宅など電力会社の変圧器から受電している場合は電力会社が維持管理する義務を負っています。

しかし、自家用電気工作物の場合は、電気設備の維持管理を自分でやらなければなりません

素人がやる訳にいかないので、この電気主任技術者が責任を持って維持管理する必要があります。

2.どんな人が電気主任技術者になれるの?

自家用電気工作物にはキュービクルや電気室があります。

このキュービクルや電気室は、電力会社から高圧の電気を受電するための設備です。

キュービクル
キュービクル
電気室
電気室

この電圧は6600Vなので取り扱いを間違えると大変危険です。

その専門性の高さから、電気主任技術者になれるのは国家資格を持っている人に限られます

この電気主任技術者試験は難易度が高く、建物の所有者(または使用者)が自分で資格を取るのは簡単ではありません。

そこで、専門の会社や個人に代わりに電気主任技術者として働いてもらう、「外部委託制度」が認められています。

電気事業法施行規則 第五十二条2 より一部抜粋

自家用電気工作物の工事、維持及び運用に関する保安の監督に係る業務(以下「保安管理業務」という。)を委託する契約(以下「委託契約」という。)が次条に規定する要件に該当する者と締結されているものであって、保安上支障がないものとして経済産業大臣(産業保安監督部長)の承認を受けたものについては、電気主任技術者を選任しないことができる

3.外部委託業務ってどんなことをするの?

電気主任技術者の仕事は多岐にわたります。

中でも代表的なものは、月次点検年次点検です。

(1)月次点検

電気設備に異常がないか、毎月訪問して点検します。

停電せずに点検するので、電圧計や電流計の指針を読み取ったり、目視で異常がないか確認します。

この時、交換の必要な設備がみつかれば、年次点検の時に交換したりします。

月次点検 漏洩電流測定中
月次点検 漏洩電流測定中

(2)年次点検

年に1回、停電しての年次点検を行います。

停電することで、普段は確認できない部分もしっかり点検することができます。

また、受変電設備には、構内はもちろん、近隣への事故の拡大を防ぐために様々な保護装置が設置されています。

これら保護装置がちゃんと動作するかを、特殊な試験器を使って調べることも大切な業務です。

OCR試験
年次点検 OCR試験中

4.もし電気主任技術者を選任しないとどうなる?

電気事業法には罰則規定もあります。

もし電気主任技術者を選任しないと、300万円以下の罰金が課せられる可能性があります

ただ、それよりも専門家の点検がなされていないと、不具合に気づかず、突然電気が使えなくなってしまうかもしれません。

最悪の場合、地域停電を引き起こしてしまい、多額の損害賠償を求められる、というケースも有り得ます。

頭を抱えるビジネスウーマン

電気事業法 第百十八条

 次の各号のいずれかに該当する場合には、当該違反行為をした者は、三百万円以下の罰金に処する。

七 第四十三条第一項の規定に違反して主任技術者を選任しなかったとき。

5.契約までの流れを教えて!

まずはお客様の設備を確認させていただきます。

前任者の作った点検報告書があれば、ある程度は判断できます。

最終的には実物の状況などを確認し、点検や報告の条件などを決めてから費用を算出します。

その後、契約書や保安規定といった必要書類を作成し、産業保安監督部に提出します。

特に問題がなければ、外部委託が認められます。

6.まとめ

自家用電気工作物には電気主任技術者が必要

外部委託制度を利用すれば電気主任技術者を外注することができる

外部委託制度を利用するには必要書類を産業保安監督部に提出し、承認される必要がある

当社ではこれら手続きについてもお客様に代わって対応することができます。

外部委託をお考えの方は、お気軽にご相談ください。